本日はご来店いただきましてありがとうございます、煮魚を召上がって、美味しい煮方教えてと言われましたので
早速私なりの料理の仕方、考え方を述べときますね、まず簡単に煮方から説明します、
(例)子持鰈の煮付け、(切り身)2枚、鰈を霜をふり(熱湯をかける)冷水に取り回りの汚い部分やこけらなどきれいに洗う、鍋に入れて水ひたひたより少なめに入れ、煮酒0.5合、味醂0.5合、砂糖コーヒースプーン2杯程度入れ落とし蓋をして火にかけます、100度ぐらいの温度であくを取り火を回しながら魚が火が通り固くなります、少し過ぎたら1回目の濃口醤油を入れ汁が半分ぐらいになったら2回目の醤油を入れ煮詰めていきます、汁が5分の1位になりましたら味を見て加減で少し醤油を落としてできあがりです。生姜、絞り生姜などは好みで入れるようにして特別の事でなければ必要ないと思います。
もちろん、時雨煮とか決まった料理には使いますので。「煮魚の汁の割合は出汁5,味醂1、酒1、砂糖0.5濃口醤油0.5から1」が標準ですかね?
濃口の量はどのくらいですかと言われれば全部使っても1合以上は使いません、
大事な心がけは魚に火が通ってもそのまま少し煮てこれからやわらくなるだけというタイミングで、濃口醤油を1,2,3回に分けて足していく事です、私達はそれを、下味、中味、喰味と言います。要するに、お酒、砂糖、味醂を入れ魚がこれから柔らかくなるというときに醤油をすこしづつ入れて優しい味に仕上げると言うことです。野菜でも魚でも昔から汁のない煮物は
甘味をゆっくり含まして塩味(醤油)を迎えられたように煮てゆけば心のこもった料理ができあがるんじゃないでしょうか?
私は常にそんな料理を心がけているんですが、中々思うようにならないのが現状です。
魚の煮付けにはまだまだいろんなやり方、脂の少ない味付け、きんき煮付けや金目鯛のような脂のりが凄い魚の味付け、酒のつまみの味付け、ご飯のおかずの味付けと考えたらきりがないほどあります、
調味料の特徴を生かしていろんな煮物を作って楽しんでください。ながなが失礼しました、今日は美味しく煮る方法を教えてくださいとお客様に言われてちょっぴりうれしい料理人でした。
しつこくもう一言、煮ると言うことは火加減は100度ぐらいの温度で汁を躍らないように汁を回して煮るようにすることが大切です、汁が詰まってくると泡が細かくなってきます、それがコクが(つまり旨み)あると思ってもいいんじゃないでしょうか。